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2023年1月25日水曜日

1980年の松戸市消防出初式

1980年1月のこと、5歳だった私は母に連れられて消防の出初式を見物に行きました。

場所はといえば、現イオンフードスタイル新松戸店(旧ダイエー)がある敷地でして、翌年の1981年にはダイエーがオープンすることになるのですが、この時はまだ空き地だったんです。

幼い私にとっては見上げる程高い梯子の上で「消防士さん」が披露する、キレッキレの技が衝撃的で、忘れられないシーンとして脳裏に刻まれているのでした。

ところが、その後お目にかかる機会もなく、写真も残っておらず母も既に他界しておりますので、実際に行われたかどうかもおぼつかない幻のような思い出になってしまっていたのでした。

先日、松戸市広報課が長年にわたって「広報まつど」用に撮影した貴重な写真が、松戸市立博物館に収蔵されていることが分かりまして、有難くも閲覧させていただく機会を頂きました。

その中に、なんと当時の消防の出初式の写真を発見いたしまして、私の幻のような記憶が真実であったことが確認できたのです!

写真提供:松戸市立博物館/『松戸市役所広報課旧蔵写真目録』より

写真を見つけた時は「オーーー!!!」と思わず歓声を上げてしまいました。

何とも凄い写真です。

写真の周辺部から見ていきますと、背景に「新松戸ファミールハイツ」が見え、左隅の比較的近いところに「三菱銀行」(現三菱UFJ銀行新松戸支店)が見えますので、この場所がどのあたりなのか理解するのに役立ちます。

遠くて識別できませんが観衆の中には、きっと幼い私と母もいるのだと思います。

そして写真の核心部分となる、梯子乗りをしている方々をよく見ると「松若」と書かれた法被を着ており、写真右側の人は同じく「松若」と書かれた立看のようなものを持っています。→立看のようなものは「纏(まとい)」というものだそうです。

また、はしごを抑えるために使用している棒のような道具は「鳶口」というもので、Wikipediaによりますと、下記のような説明があります。

さらに、「松若」とは何ぞや?とネットで調べてみましたところ、「松戸若鳶会」であるということが分かりました。

2022年に松戸若鳶会では50周年記念式典が行われたとのことで、その時の写真が掲載されているサイトが見つかりました。

ありました!1980年の写真に写っている纏と同じに見えます!


もう少し調べますと、コロナが流行する前の令和2年には松戸市消防出初式において、梯子乗りも行われていたことが分かりました。
(残念ながら今年令和5年の出初式のプログラムに梯子乗りは無いようです。)

そう、梯子乗りをされていた方々は消防署の消防士さん達ではなく、地域の消防を草の根的に支えていらっしゃる鳶職の方々だったのですね。

幼い頃にはそんなことは理解できませんでしたので、消防の出初式で凄いものを見れば「消防士さんスゲぇー!」となってしまいましたし、ボーっと何も考えずに生きてしまえば、そのままアラフィフになるまで「消防士さんスゲぇー!」と思い続けてしまうわけです。

この記事を書くまで、消防士さん達は火事が無いときには梯子乗りの練習をしているんだと本気で思っておりました。。

長いこと鳶職の方々に大変申し訳ない勘違いをしていたなと思います。

改めまして鳶職すごい!と心から思います。

今回、写真の発見によって色々なことが分かり、そして私の幼心に幻として封印されていた謎をまた一つ退治することができました。感無量です!

是非また松若の梯子乗りを生で見てみたいものです。これからは毎年松戸市消防の出初式をチェックせねばなりません。。

ところで最近、新松戸在住の私の親世代の方と知り合いになる機会がありましたので、件の出初式の話を切り出しましたところ、あの場所が空き地だった頃は各種イベントでよく使われていた、という話を伺うことができました。

木下大サーカスが公演したこともあったそうです。像を3頭も連れてきてたのだとか!

うちの両親は情報に疎いタイプですので、きっとチケットが取れなかったのでしょうね。

今更ながら大変残念です。。


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